2006年11月6日月曜日

評価の比較


カリフォルニアワインで最高値をつけたスクリーミングイーグルとフランスの格式、ラフィットとの比較なんて贅沢もありました。ちょっと昔のお話です。
個人的意見ではラフィットが正統派ワインとしての品位と格式に溢れていた。スクリーミングイーグルはフルーツの美しさとパワーで優れたブドウとハイディバレットの作品としての価値はさすがでありましたが。

2006年9月25日月曜日

Viva Italia


 第17回王様会  “VIVA ITALIA” 2006年9月25日




Bellavista
Franciacorta Gran Cuvee Saten

“Bellavista”がロンバルディ県ミラノの北東部にあり氷河によって運ばれた岩や砂で出来た丘に50年にわたりブドウを栽培してきた。ここは石灰質の土質を持ち、近くの湖からの寒暖と風の影響を受けてブドウが生育する。ワイナリーの名前“Bellavista”(良い眺め)が示すベラビスタでは自然のリズムに調和し,エレガントで細部にまでこだわった繊細なワイン造りを目指している。手間のかかる手作業と最新の手法をバランスよく取り入れて、味わい深く爽やかで豊かなアフター、爽やかさが熟成とともに更に生き生きとするようなワインが目標。

フランチャコルタ指定のエリア内で、壜内2次発酵方式で作られたものだけがフランチャコルタと呼ばれる。フランチャコルタは1995年DOCGに指定され、最低25ヶ月間の熟成期間(そのうち、18ヶ月間は瓶内で酵母と接触)が定められています。ヴィンテジワインにはそのヴィンテジに収穫されたブドウを原料とするワインを最低85%以上使用すること、最低37ヶ月間の熟成期間(そのうち、30ヶ月間は瓶内で酵母と接触)が義務付けられています。(Franchacorta Gran Cuvee Satenはベラヴィスタの中で最も女性的なワインでヴィンテジワインなのですが女性の年を問わないことにならってヴィンテジは記載されていませんとか。)生産量は限られ小樽で丁寧な一次発酵がされます。

品種; エルブスコ地区の最も良い畑から取れるヴィンテジのシャルドネ100%
醸造; 壜内二次発酵、
テイスト: 藁色に明るく輝く金色のニュアンス、クリーミーで豊かな細かいあわ立ち。桃の花、はちみつ、くるみの香りで味わいと、フレッシュでありながら、まろやかなフルボディの味わい。

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Franco Biondi Santi
Brunello Di Montalcino 1995

トスカーナ州の名門ワイナリー、ヴィオンテ・サンティのワイン。モンタルチーノ地区はイタリアでも最も古い16世紀ごろからブドウ作りに適した場所として知られている。1840年にClemente Santiが創設、孫のFerruccio Santiがワイナリー “Il Greppo”を建設し1880年にブルネッロのワインに自信を持ったという。自社畑からのワインは総合年間生産量約7万本。 ヴィンテジ物(Riserva)は25年以上の樹齢のもので良い年にしか作らない。基準に満たないもので通常25年以下の樹齢のものはAnnataとされる。10年以下のものはRossa di Montalcinoとなる。ヴィンテジものはたったの3000本以下しかつくられず、スーパータスカン以上に入手困難といわれている。長熟ワインとして有名であり、ワイナリーでは100年以上経たワインを持ち、セラーでは証人をそろえて古いワインにはfilling upをしているという。このブルネッロもお勧めは8時間前に抜栓するのを勧められているほど。1980年にBrunelloはDOCGに認定。

品種; サンジョベーゼ・グロッソ (B-BS11クローン)
醸造; 伝統的なセメントタンクとステンレスタンクを用いる。新樽ではなくスロベニア
樽で通常42-48ヶ月の熟成を行う。ステンレスタンクで温度管理ができるよ
うになったために以前より長めの30日近くの乳酸発酵を行う。
テイスト:特徴的な強い香りでありながら、デリケートでハーモニック、バニラや花の香
り。火打ち石のような香りもある。

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GAJAについて:

ガイヤの概略:
1859年創業、スペイン系一族で4世代にわたってワイン作りをしている。
ピエモント州のバーバレスコ、バローロ地区に250ヘクタールを所有。
(現在はトスカニー、ボルゲリ地区にも進出)
ピエモントはイタリアでも最大のワイン生産地でイタリア全体の80%を生産。
大きさはデンマークと同じくらいで、人工は4百万でノルウエーと同程度。
11のDOCG (全体で31)、 45のDOC(全体で301)を持つ

なんといっても、現在のオーナー、Angelo Gaja が(時に、反論も受けるが)
イタリアワインの革新児としての進化が注目される。たとえば、

(1) 225リットル・フレンチオークの小樽の使用 -子樽を使うことによって従来、大樽では4-5年かかったネッビオロの酸やタンニンを和らげる熟成が2-3年で可能となるという。
(2) シングルヴィニヤードワインの生産パイオニア
(3) ブレンドに挑戦 (DOCGの規定では100%ネッビオロなのでブレンドにより地区名表記のみになってもかまわない。規定より品質追求する主義)
(4) 海外での評価
(5) シャルドネ、ソービニヨンブラン、カベルネソービニヨンなどもピエモンテ・ラインに含める。(ただし、ロバートパーカーなどは彼のバルバレスコの出来がすばらしいので何故カベルネを植えるのか大疑問と発言している。2001)他に、モンテプルチアーノ、スーパートスカンの製造など発展の幅広い。












Gaja
Sori San Lorenzo (Barbaresco) 1993

アンジェロがソーリ(Sori―南向きの岡の上)を1964年に教会から買い取ったもので、ワインにはアルバの聖者の名前San Rolenzoをつけたもの。ガイアの5つのシングルヴィニヤードワインの中でも最も力強く、厳粛なワインで長熟タイプ。(なので、王様がこのヴィンテジを探されたのは驚愕!)

品種; ネッビオロ95%、バルベラ5%
Langhe DOC
アロマ:凝縮した黒スグリ、ブラックチェリー、コーヒー、ハーブ、ミネラルや
    エキゾチックなハーブの香り。
醸造; ステンレスタンクでスキンコンタクト
熟成; フレンチ小樽で12ヶ月、その後大樽で12ヶ月

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Gaja
Sperss (Barolo) 1998

アンジェロの父親はバローロを作るのにセラルンガ(Serralunga)の畑のブドウを買っていたが、1961年からは自社畑からのブドウを使ってのみワインを造ることに決めたために、暫くここの畑からのワインは造られなかった。セラルンガの畑のブドウからは古典派からも素晴らしいバローロが作られている。(ジャコモ・コンテルノのジョバンニ・コンテルノによるバローロなど)1988年にこの畑を買い取りバローロ造りを再開したときには昔の懐かしさと誇りがよみがえったという。20年以上も待ったあとで作り始めたことによる郷愁(ノスタルジア)を表すピエモントの言葉である“Sperss”(スぺルス)をワインにつけた。

品種;   ネッビオロ 94%、6%バルベラ
      Langhe, DOC
アロマ;  クラシックなタール、リコリス、そして、アルバはトルフェの産地でもあり、
  トルフェの香りがあるといわれています。
テイスト: スペルスはセラルンガのしっかりした土壌の特徴を良く出している。
濃縮でしっかりしたタンニンがある大型でありながら、低めの酸とあいまっ
てシームレスな滑らかさが特徴。フィニッシュが素晴らしい。
醸造;  タンクで果皮のまま1週間、その後2週間置く。
熟成:  225リットルのフレンチ樽で12ヶ月の後で大型のオーク樽で12ヶ月。

1971,1985,1990,1997,1998,1999は5星のExceptional year

番外コメント:バローロは長くイタリアの王様と言われてきたワインでそのタンニンの強さから長い熟成が必要であったのが、ガイアのような新進派によるバリックの使用で熟成期間が短くなった。一方、反論としては、樽香が強くなって本来の香り(タールや熟成したときのオレンジの香り)が失われたという論もあり古典的な大樽を使用する生産者(伝統派)も多い。インターナショナルマーケットを目指すガイアなど(近代派)は国際基準に向かい、ローカル志向はやはり伝統テイストを引き継ぐという流れで大きく二つに分かれているようだ。ワインはやはり地元らしさが一番であることを考えると我々はインターナショナル嗜好、地元はローカルなのだろう。これはワイン生産地では必ずある状況と思われます。