2011年9月14日水曜日

生産者と熟成について


ブルゴーニュの最高の作り手のトップクラスにはルロワがあることには間違いない。1992 chablis grand cruと カリフォルニアでニューウエイブ カルトの地位に輝くマーカッシン ピノノアールを飲んだ。まず、シャブリ グランクリュという表記もおっとりした時代を感じさせる。


ルロワのワインがいつも裏切ることがないように、このシャブリも20年を経てヘーゼルナッツの香りや梨、柔らかなかんきつ系、そして牡蠣の汁のようなミネラル感に酸味、エレガントなボリューム感など気品あるワインでした。現代のシャブリは一般的には非常に辛かったり、樽感の重視されたものとは、はっきりと一線を画した手間のかかったシャブリの本来のミネラル感って、こういうものだろうというお手本のように美しく熟成していました。


一方のマーカッシン ピノノアールは寒冷なソノマコーストの産地のブドウを使ったもので、これも20年んを経て、まさに飲みごろでした。10年以上前にリリース直後のマーカッシンを飲んだ時は、そのパワーとタンニンの強さに美味という感覚ではなかったものを思い出した。今はまさにフルーツが程良くアルコールになじみ、酸とタンニンは絹織物のように混じっておいしいワインとなっていました。


それぞれ、産地を代表するワールドクラスワインは定評どおりの熟成の楽しみを満喫させてくれたワインでした。

2011年8月26日金曜日

オセアニア 赤

暑さの中休みのような涼しい日に赤ワインを味わえたのはラッキーでした。クリュッグは変わらず重厚感と気品を漂わせ、キスラーの1997 Vine Hill Vineyardは最初の香りはカリフォルニアらしいが、酸味、嫌味のない樽、洋ナシやカリンのとけあった厚みのあるボディはロシアンリヴァーらしい。時折、その他のキスラーにある、えぐいようなまでの樽感や甘いフルーツ感ではなく、ミディアムボディのおいしいシャルドネでした。

1996 Providence Matakana Private Reserveはカベルネ(カベルネフラン)の香りと自然農法らしい腐葉土のような香りが混じる。シュヴァルブランと比較すると、こちらは、タンニンの感じやフルーツの甘さであと一歩。1987 Henschke Mount Edelstoneはやや飲みごろを過ぎた感じ。もっとも、90年を超えるシラーズで古木らしい枯れた感じやごつごつしない滑らかさはジンファンデルの古木からの良いワインと共通する愛らしいワインでした。同年の同じバロッサヴァレーからのオーストラリアを代表する1987 Penfolds Grangeはいつも変わらず、その果実、土壌を思わせる深い香り、ベルベットのような滑らかでしっかりとしつつ細かいタンニン、心地よい酸味など南半球の王様らしい風格は相変わらずの大満足で、はやり本日のスターでした。



2011年7月22日金曜日

お祝いワイン




我らが敬愛する王様誕生会で圧巻のワインラインナップでした。とても、全部は飲みきれないほどでしたが、実際のところ、ワインのレジメを作った私は予習したプレミアムハンディで3時間あまりですべてを味わいました。



5大シャトーはいつものようにボルドーの王道で確立された気品が漂っていた。特にラフィットは深さ、バランス、味わいなどの総合で圧巻でした。ブルゴーニュはDRCシリーズでしたが、ここではグラン・エシュゾーが突出しており、霧の森にたたずむ貴族といった深遠な感じでした。


アルマンルソーのシャンベルタンは力強さで筋肉系の棟梁。シャンパンはドンペリ、フィリポナ クロ・デ・ゴワセとこれまた気品にあふれたスタートでした。

すべての感想を書くにはあまりの多さですが、全体的に風格、気品、体力と、、まさにテロワールに日本で言う「心技体」が加わったような世界の一流品を味わう贅沢な一日でした。

2011年5月23日月曜日

イタリア

2004ブルーノ・ジャコーザのバルバレスコと1981のティニャネッロ、1994のル・モンラッシュという個性的なラインナップ。

まず、熟成のル・モンラッシュは熟成を感じさせるややシェリーチックな香りにピーチ。厚みのある味わいと酸味は相変わらずで威厳を保つ。 30年をすごしたティニャネロは丸くサンジョベーゼらしい酸とブラックベリーのコンフィのような味わいが混じりこなれて飲みやすい。それらに比べてまだまだ新しい2004のジャコーザのバルバレスコはネッビオロ特有のやや薄めの色合いながら力強い輝き、クランベリーやチェリーの香りがしっかり。味わいは、この色合いのどこに隠れていたかと思うほどのタンニンと酸味で口を刺激する。長熟タイプのワインである証明だ。

2011年4月18日月曜日

アートなワイン


人生2度目のロマネコンティ、ルパン。いやいや、ロマネコンティもびっくりの超ラインナップ。 1981クリュッグ、1995クリュッグ、1994ル・モンラッシュ(ラフレーブ)、1986ロマネコンティ(DRC)、 2004ル・パン、1997ペトリュス。 このラインナップの場合、クラシック鑑賞するときに食べたり、喋ったりが邪魔であるようにごちそう前に、食べるを控えてしまう。それぞれのワインの香りや味わい、そして後味をまるごと堪能しようとするとますますその傾向となる。特に古いヴィンテジの場合はなおさら。


クリュッグの底力は30年近くなっても、しっかりした酸や力強さ、甘すぎないオレンジチックな蜂蜜やミネラル、、などなど。ル・モンラッシュはやはり白ワインの王様。どこまでも失わないエレガントなバランスには全く驚愕。フルーツという言葉がしっくりこないような、まさにテロワールを表現した果樹のエッセンスにまろやかになりつつ腰のある酸味、ミネラルや枯れたかすかな樽など風景や土壌、歴史を無言で語りかけてくるような完成度は何度かの経験で裏切られたことはない。


ロマネコンティは育とバランスの良さは言うまでもなくピノノアールの枯れ方のお手本のよう。口を完全に中性化して味わいために食事に手がでない。


ルパンになって、やっと食事と一緒に楽しめる。メルローの新しい力を表現している。ペトリュスは変わらず妖艶で香りの深さやアフターの長さ、そして波状的につづく味わいの変化がや・は・り。


アートのワイン達はおしゃべりを封じてしまう。。