2013年2月5日火曜日

ボルドー熟成


2013も元気で迎えることができました。加えて、ボルドーならびにブルゴーニュの銘酒を新旧飲み比べるという幸せなひとときに恵まれました。 今回は右岸の熟成の変化を味わおうと思いました。まず1979のシュヴァルブランはバランスを失わない熟成感で良いダージリン茶やドライフルーツのニュアンスを伴いながら、こなれたタンニンが寄り添う、まるで上品な白髪の貴婦人のような印象でした。一方の1981ペトリュスは熟成過程でややバランスを失い、そのエレガンスさを失っている感じでした。 新しいペトリュスが粘りつくようなしなやかな力を表すのに、経年過程で多少の空中分解が感じられた。それでも、取り立てての欠点があるというより、期待感と実感の差にやや落胆を感じた。

相変わらずの変わらない気品をたたえているのは、やはりラフィットで、この1985を含めいつのんでも裏切られた事がなく、ボルドーのking of the kingsの威風を表している。1970マルゴーは私が1973年ごろに初めて飲んだマルゴーの印象そのままに、女性らしいまろやかさで現在のマルゴーとは少し違うオリジナルマルゴーに再会した感じでした。

ブルゴーニュは近年もので、ドメーヌ・バールの2007ボンヌ・マールはすでに腐葉土やキノコのような熟成感としっかりした果実が混じりミディアムボディの優雅さを最後まで貫いた。ドメーヌ・デュジェニーの2006エシュゾーはラフィットが作ったドメーヌということで興味を引いた。前者と比べると、とてつもなく硬く閉じていて、まだまだ開栓が早いと感じさせるほどの黒い果実、強固なタンニンでポテンシャルの期待が大きく膨らむ。ヴィンテじから10年ほどからが飲み頃ではないだろうか。ほとんど変わらぬヴィンテじでこれほどの違いに畑や収穫方法などに思いをよせた。