2010年12月15日水曜日

クリスマス 五大シャトー ブラインド

お久しぶりの5大シャトー飲み比べの饗宴でした。すべて1994年ヴィンテジを平行にブラインドするというワクワクするお遊びでした。残念ながら私はラフィットと(特別参加のシュヴァルブラン)だけを当てることができましたが、頭の中は迷路でした。ヴィンテジが同じということは気候条件が同じわけで、シャトーのスタイルだけが頼りということですが、、もちろん、飲みなれているわけでなし、おぼろげな記憶を辿ってさまよった感じです。

もっとも、90年代に入ってからボルドーの作りもこれらの代表格でも多少スタイルが変わってきているので、80年代やそれ以前のワインの記憶と必ずしも一致しないということもありました。ラテュールなどは、このヴィンテジでは、過去の官能的でくらくらするような香りは抑えめに感じました。マルゴーは外したものの、滑らか、しなやかとコメントを書いています。もっとも、それをムートンにしてしまった。ムートンはいつもびっくりさせられる意外性の連続で動物臭をキーにしていたのに、不連続性にかけてしまったのが敗因。ラフィットは固く内向的で表面が穏やかで惑わされました。時間がたつと、やはり高貴な感じが出てきて記憶がつながった感じ。

楽しい仲間とワインがアートになる楽しい時間でした。

2010年11月18日木曜日

リリー会 

リリー会もあっというまに2年を過ぎようとしています。毎月1回の会も回数を重ねるとワイン経験も仲間の親交も深まり素晴らしい会になってきています。今回は2期生と合同でワインの季節ということでブルゴーニュ会をしました。講習会、去年のリリー会、そして今月と、振り返れば多くのブルゴーニュ地区をカバーしてきました。今月はムルソー レ・クルー(パトリック・ジャヴィリエ)からシャンポール・ミュジニー(ユベール・リニエ)、コルトンベルトラン・アンブロワーズ)、ヴォーヌロマネ レ・ルージュ(ジャン・グリヴォ)、エシュゾー(ミニュレ・ジブール)などを飲み比べました。
ヴィンテジはほとんどが2006年の新しいものでしたので、それでもフレンチワインらしいスマートで力強く、カランツ、枯れ草、動物香の特徴がそれぞれに発揮されて興味ぶかいものでした。ただ、値段が高いのでコストパフォーマンスを考えると、ものによっては疑問を感じるものがあったのも事実でした。超一流のものでないブルゴーニュの微妙な位置づけでしょうか。それでも、新世界にはない爆発的ではない幅広い複雑な香りや味わいの広がりはブルゴーニュたる地位を十分発揮していました。
教室で一番人気があったのはコルトンとエシュゾーでした。ジャンブリヴォのヴォーヌロマネはブショネで非常にがっかりしました。2期生の1年未満の方々もなにも発表するまえから、カビの臭いと言われる方が数人いて、ブショネの経験を分析する機会が少ない人たちにすらその直観的嗅覚の素晴らしさを発見で、文字で勉強するよりの確かさに拍手でした。

2010年8月26日木曜日

白ワインの熟成

今年の夏は異常な暑さでワインもシャンパンやスパークリングワイン主体です。今日は白ワインの良い熟成についてです。1984のコルトン・シャルルマーニュ。今から26年前の白で生まれたばかりの子供も結婚してもおかしくない時間です。色合いはまさに輝く蜂蜜色。ややアプリコット色のニュアンス。香りは年代を感じさせる果実味はかすれているが酸はまさにしっかり、そして重たくも、軽くもない円熟のバランスのままヴィンテジを過ごしたワイン。もともとコルトンシャルルマーニュの持つエレガントで素材と仕立てのよいすっきりしたデザインの洋服のように、年をとって着てもその素材、仕立ての良さで変わらぬ美しさをもつドレスのようでした。

赤ワインについていえば、近年はカリフォルニアワインの高級ワインの代表でありつづけたオーパスワンの値段をリリース時から超えるワインがぞくぞくだが、このポール・ホッブスのカベルネもそのようなワイン。力強さはしっかりと押さえグラスから溢れるような圧力感はなく、口に含むと果実味の深さ、凝縮感、そしてタンニンの滑らかさなど、となりのオーブリオンと全く遜色なく、ここでもスタイル(仕立て)の違うデザインのドレスのように甲乙つけがたしでした。

2010年6月27日日曜日

王様誕生会

今年も元気で誕生会を祝うことができました。まずはドンペリの2000と1771の飲み比べという新たな経験。2000は蜂蜜香と酸が混じったボディがNVとの違い。古酒の域に入った1771は目立った泡は消えていたが口に含むとワインが新鮮に感じるほどの泡感。炭酸がみごとにワインに溶け込んでいた。

ラモネの2003バタール・モンラッシュ。グラスからの香りは硬質で抑えたものがあるが口に含むと力強い。グレープフルーツの皮のような心地よい苦みにミネラル感、上品な杉の香りとしっかりした酸。香りより味わいの力強さに圧倒される。1996オーブリオンの白はセミヨンの熟成を示す輝く黄金色のニュアンス。ソービニヨンブランとのブレンドでドライな味わい。隣のラモネにやや分があって気の毒だったが、ボルドー白の熟成は楽しい経験。

2001年の5大シャトーのブラインド。私はこのブラインドが大好きで、できれば一晩ずっとブラインドでも楽しめるゲーム。中に一本1999が混じり、これは色合いからすぐ当てることができた。これはオーブリオン。次の2本は私はムートンとラフィットと絞り、ここまでは正解だったが、これらを入れ違えた。いつもムートンには騙されるので用心しすぎだったかもしれない。このムートンはいつもの動物的というより、抑え気味のバランスが絶妙でラフィットだと思った。振り返ってみれば、ラフィットは酸味とタンニンが特にバランス良く、、これだと思った。 とてもとても豪華で楽しいゲームでした。

最後にオーストラリアのヘンチキのHill of Grace. これはいつか飲みたいと切望していたのでお願いかなって大満足。シラーズというより最初の印象は凝縮感のあるカベルネだが、時間がたつとタンニンの長さと余韻にミント系の香りが長くつづき、やはり超上質シラーズを感じた。 また、来年もこんな素晴らしいワインのラインナップで祝いたいものです・・

2010年4月22日木曜日

リリー会1周年記念

調布のしみんカレッジの延長サークルとして継続してきたりりー会(1)も、今年の4月で1年を迎えました。今回はお当番さんの振舞で調布の一番古いフレンチレストラン スリジェからのケータリングでした。ワインのおつまみも教室の中という制限にもかかわらず「記念日らしい」楽しいサプライズでした。
シェフもワインに合せて魚介や鯛のマリネ、ホワイトアスパラガス、鴨、ローストビーフに加えていつもパンを手作りで持ってきてくれる仲間のアボカドやコーンパンですっかり出来上がりました。
ワインテーマは偶然にもカリフォルニアワインで私の専門分野でもありドメーヌカーネロスのロゼスパークリングワイン、2006オレゴンシャルドネ、2007ドライクリークのヘリテジジンファンデル、2006キュベソンのピノノアール、2005ケンウッド ジャックロンドンカベルネソービニヨンとワインもコースにあうもので、ヴィンテジの違いやワインの違いを楽しみました。ジンファンデルを初めての方もいるので重くないタイプを選び面白い会となりました。

寒い春


この日も真冬かと思うような寒さと雨で、桜の散った4月後半にコート・手袋で出かけました。まずはアランチエノの1999 La Vigne aux Gamins アカシア蜂蜜の甘やかさとハーブの香りのミディアムボディが繊細な泡に含まれつつ、貫く酸と熟成を感じたシャンパン。2001 オーブリオンはデカンタされて供されたが、個人的には空気を吸い込みすぎてもったいなかった。これは時間をかけて自分のグラスのなかで変化を楽しみたかった。2005HdVは近年のブルゴーニュ・カリフォルニア有名どころ(カレラクローンを使ったHyde VineyardのブドウとDRCのアルベール・ヴィレーヌ)の合作で評判のあるシャルドネ。最初の香りはブルゴーニュチックだったが口に含むと、まぎれなく高級白カリフォルニア。力強さと桃や梨の香りや、高級なフレンチオークのニュアンスやボディは、こちらのほうがデカンタしたほうがおもしろかっただろう。私は良くソノマやナパの店で見かけるが日本の値段の高さに驚愕。 2006ヴォーヌロマネ クロ・デ・ラ・フォンテイヌは果実味、酸、タンニンがしっかりと若き良きブルゴーニュのおいしさを感じた。最後は再びシャンパンを追加することになったが、このころには意識微弱のためテイスティングコメントを記憶せずただおいしくいただきました。寒さのせいです・・・

2010年4月5日月曜日

お花見

恒例のお花見会(1回目)を開きました。このところの花冷えで都心は満開でも、マイ桜は8分咲き。それでもワインの背景としては変わらず背景となってくれました。1998ビルカールサーモンで乾杯、ひきつづき2002ルイ・ロデレール クリスタルでシャンパンを堪能し、つづいては2003シャルムシャンベルタン(アンリ・ペローミノ)、1995スプリングマウンテン カベルネソービニヨン、2007スノーデンと移りました。お料理はイタリア料理と和食を合せました。 クリスタルは厚みある嫌味ない粘度とナッツ系の味わいでいつも裏切らない美味、シャルムシャンベルタンは果実味のしっかりしつつもしっかりとした重厚感あるタンニンで深いアンリジャイエ スタイルを賞味、15年を経たナパのスプリングマウンテンのカベルネは以後の山の畑が注目されるさきがけとなったワイン。落ち着いた果実味と熟したタンニンが細かくワインにしっかりと溶け込み、ナパワインの良さと実力を証明した。

これとの比較として最新のスノーデンをデカンタージュして味わった。やはり少し早すぎて申し訳ない感じだが、深い果実、タンニン、酸などがしっかりバランス良く熟成の期待を裏切らないだろうと予測した。ちなみにこれはパーカーポイント97点をとったものでビン熟を3-4年させた後で30年の熟成可能とコメントされたものだ。まあ、待ちきれないということ半々、期待値をもったものをリリース時に味わってみたいという探検心は十分にこたえてくれた。

2010年2月19日金曜日

スーパートスカン メルロー

スーパートスカンといえば、基本的にカベルネベースのワインが多いなかで、、ブラインドで注がれた後に、「あれではない、これではない、」との消去法を用いて、メルローではないかと思ったのが、その通りでとても楽しかった。ブルーベリーやチェリー系の香りや、タバコ、ドライハーブなどの香りと、なにより、なめらかでベルベットのような柔らかで厚みのある味わいとタンニンのなめらかさが特に印象的でした。ペトリュスやル・パンを飲む幸せも過去にあったものの、イタリアのイノベーションに驚くばかりでした。もっとも、フランスの先の銘酒に比べると、ニューワールドに近い美しいフルーツを持つメルロー感でした。