2013年10月13日日曜日

ピエール・ピーターズ レ・シェティオン ブランドブラン

シュール・オジェの最後のカリスマといわれるピエール・ピーターズ レ・シェティオン ブランドブランを楽しみました。クリュッグの最高と同じレ・メニルの畑で、ブランドブランなのに、まるでクリュッグのような力強さが特に印象的。細かいムースとシャルドネの華やかさがしっかりしたミネラル感につつまれて骨格があくまでもしっかりとした硬派。次は2001オーブリオン白、ペサックらしいミネラル感が黄色リンゴのように交わりやさしく熟成されている。

グリオット・シャンベルタンは熟成がやや過ぎた感じでしたがグランクリュならではのバランスの良い枯れ方はさすがです。そして大好きなシュバル・ブラン。30年の時間を経てもカベルネフランが落ち着いた華やかさとメルローの美しい超熟が一体となり、これまた全く文句なく美味で言葉は不要です・・・


2013年6月25日火曜日

イベリア半島のベストは?


世界のトップアスリートが集合したようなラインナップの中で、私が注目したのはスペインの1981ベガシシリア・ウニコと1999 エルミタの比較でした。それぞれ以前に何回か飲んだ経験がありますが、一度に比べる機会としてじっくり観察してみました。ウニコは出荷までに最低10年かけるという熟成自慢のワインでもあり、これまでにスペインの最高ワインと実感していました。この日はエルミタを横に比べてみました。個人的な感想から言うと、エルミタに軍配があがります。ウニコはきれいな熟成で30年を経てもやさしくエレガントな優等生のなりゆきを感じました。熟成ボルドーとはセパージュの違いからテンプラニーニョの野性味が表に出てスペインらしさとワインの奥行を感じさせるものでした。エルミタの方はそれに比べてずっと若いという事もあり、濃い赤色はそのままにワイルドベリーや野生の木々を感じさせる力強さと豊富でこまやかなタンニンときれいな酸でまさにワインとしての飲み頃絶頂期という感じでした。ワインは飲み頃もとても大事ということが改めて実証された感じです。

ラインナップは泡は2004 ボランジェ グランアネ 2004 ヴーヴクリコ グランダム 2003ドンペリニョン 2007 ナイティンバー ブランドブラン。白は2010 コルトン・シャルルマーニュ(ジャン・フラマン)、赤は1981 ヴェガシシリア・ウニコ、1983 オーパスワン、1996 プロヴィデンス、1996 ラトリシエール・シャンベルタン(ルイ・レミ)、1997 アラウホ イーゼルヴィニヤード、1999 エルミタ、1997 シャトー・ラテュール、 2004 サッシカイア、2006 クロ・デ・ヴージョ(ジャン・グリヴォ)、2009 シャルム・シャンベルタン(ドルーアン)というドリームチームでした・・





2013年2月5日火曜日

ボルドー熟成


2013も元気で迎えることができました。加えて、ボルドーならびにブルゴーニュの銘酒を新旧飲み比べるという幸せなひとときに恵まれました。 今回は右岸の熟成の変化を味わおうと思いました。まず1979のシュヴァルブランはバランスを失わない熟成感で良いダージリン茶やドライフルーツのニュアンスを伴いながら、こなれたタンニンが寄り添う、まるで上品な白髪の貴婦人のような印象でした。一方の1981ペトリュスは熟成過程でややバランスを失い、そのエレガンスさを失っている感じでした。 新しいペトリュスが粘りつくようなしなやかな力を表すのに、経年過程で多少の空中分解が感じられた。それでも、取り立てての欠点があるというより、期待感と実感の差にやや落胆を感じた。

相変わらずの変わらない気品をたたえているのは、やはりラフィットで、この1985を含めいつのんでも裏切られた事がなく、ボルドーのking of the kingsの威風を表している。1970マルゴーは私が1973年ごろに初めて飲んだマルゴーの印象そのままに、女性らしいまろやかさで現在のマルゴーとは少し違うオリジナルマルゴーに再会した感じでした。

ブルゴーニュは近年もので、ドメーヌ・バールの2007ボンヌ・マールはすでに腐葉土やキノコのような熟成感としっかりした果実が混じりミディアムボディの優雅さを最後まで貫いた。ドメーヌ・デュジェニーの2006エシュゾーはラフィットが作ったドメーヌということで興味を引いた。前者と比べると、とてつもなく硬く閉じていて、まだまだ開栓が早いと感じさせるほどの黒い果実、強固なタンニンでポテンシャルの期待が大きく膨らむ。ヴィンテじから10年ほどからが飲み頃ではないだろうか。ほとんど変わらぬヴィンテじでこれほどの違いに畑や収穫方法などに思いをよせた。