2012年7月19日木曜日

カリフォルニアワインのチャンピオンズ



カリフォルニアワインの王道を行くワインのラインナップでの王様誕生会に参加しました。今回は私がレジメを担当したのですが、書いているうちにも味わいを想像しつつで2倍に楽しめました。

ラインナップがすごい!。赤は2008 Far Niente, 1999 Dominus, 2006 Harlan, 2007 Kenzo  Asuka, 2002 Ridge Monte Bello、2006 M by Michael Mondavi  泡は2003 Dom Perignon 白はMerry Edwards, L by Lewis,  Staglin Salus, Kongsgaard the Judge.  

私の期待値の一番高かったのは2002 リッジ・モンテベロ。1976のパリマッチでも、30年後のリターンマッチ新旧部門でも1番をとったモンテベロ。10年後の2012でも今後の熟成の予感をもちつつエレガントにまとまった美しさは言葉を失う。トップワインだけが与えてくれる静かな楽しみ。果実味の厚さと複雑さ、ミネラル、湿った下草などが、豊かな酸と滑らかなタンニンをともなって重すぎず優雅なバランスをとって口を満たす。ハーランは初期のころから比べるとタンニンは強いものの歯茎がしびれるようなパワーではなく成熟感がある。M by Michael Mondaviは思ったより滑らか。ドミナスは枯葉や腐葉土のような熟成ニュアンスもあり右岸チック。アスカはカベルネフランの押さえた華やかさが印象的。

白で誰よりも突出していたのはコングスガードのザ・ジャッジ。私がコングスガード氏に会った1999年ごろにも収穫したばかりの白ブドウを小さなトレイで大事そうに低温管理していたのを思い出した。コングスガードのワインのもったり感がエレガントに進化した。モンラッシュと双璧をなすといわれているものだが、深さ、複雑さ、凝縮感とバランスのよさで他を寄せ付けない芯の太さと奥行き、エレガンスがグラスから立ち上がり熟成でさらに音色を変えそう。 もっとも白で200ドルはカリフォルニア白の値段の最高峰でもありますが、、

ものすごいワインディナーでした!!



2012年6月10日日曜日

ニュージーランド ボルドータイプ飲み比べ

海洋政策財団のニュースレター
http://www.sof.or.jp/jp/news/251-300/281_3.php
2012年の4月20日号掲載の「潮風の聞こえるワイン」という記事に紹介したワイヘキ島のストーニーリッジ ラ・ローズを飲む会をしました。同じヴィンテジのテマタ・コルレーンと比較するのが目的でした。

ニュージーランドを代表するボルドータイプの双璧を素晴らしいヴィンテジだった2008で比べました。ラ・ローズの方は、まさにボルドーといった感じでカシスやダークチェリーなどの果実味がこなれてドライスパイスやドライハーブ、土などが混じってなめらかで奥深い味わいでマルゴーのような印象。飲みごろでまさに文句ないおいしさ。コルレーンの方はカベルネ感が主体となり酸味がしっかりした印象を残す細身なスタイリッシュ。どちらもニュージーランドで飲んだ時の印象と大きく変わらず、それぞれの個性を主張した。

これらを飲む前にはクラウディベイのスパークリング、アタランギのピノ・ノアールなど、こちらもしっかりとした造りを感じさせるおいしさでした。

2012年4月22日日曜日

日本のワイン

お花見にふさわしい日本のワイン特集です。特に日本固有の品種であるマスカットベイリーや山ブドウを使った珍しいものが勢ぞろいしました。山ブドウをつかった発泡酒であるWille(ヴィレ)は山ブドウを使った瓶内二次発酵のスパークリングで色も濃く果汁の香り一杯、NOVOはハイブリッド系の味わいや香りでオレゴン州などの寒冷地のセイベルのハイブリッドに似た感じでありながら骨格が非常にしっかりしていた。こっそり混じったのが英国のCamel Valleyのスパークリングワインをブラインド。なんと、超素人の息子が一人だけ当てるという、「怖いもの知らず」のおまけもありました。
グランポレール山梨勝沼遅摘みはやや甘いニュアンス、ルバイヤート甲州樽貯蔵は甲州らしい丁子のような心地よい苦み、岩の原の善兵衛は凝縮感、複雑さどを併せ持つ、マスカットベイリーAとしては深みのある香りや味わいが秀逸。シャンテY.A.はやや消毒薬臭い、鳥居平俱楽部はフルーティなミディアムボディ、シャトー酒折のキュヴェ イケガワもジューシーなバランス、葛巻ワインの山ぶどうクラシックは寒冷地のジンファンデルに共通するような濃厚な色とワイルドベリーの香りが一杯のワインでした。
総量が多かったので、残りを約1週間かけて変化を比べてみましたが、全く驚くことには、赤ワインについては、どれも退化がほとんどなく、進化とまではいわないけれども、おいしく飲めたのが何よりも驚愕でした。どれも良く丁寧に作られた証拠。

日本系に少し飽きて、セラーから前月にシャンパーニュに行ったおりに持ち帰ったアンリオ2002、パーカー97をとったスノーデン2007やら、その他、記憶が遠くなるにつれてセラーからワインが出て、最後にはこれ以上の残骸です・・・



2012年2月1日水曜日

五大シャトーブラインド

またまた、ワクワクする機会でした。私はブラインドが大好きなのです。たとえ、全部外したとしても真剣にワインを利く機会は色々なことが分かるからです。白状すると、今回は主催奥様の誕生会でしたので、その前にドンペリを飲みすぎて、真剣な思いと、半分ふやけた頭でしたが幸せな機会に挑戦しました。

すべて1989のヴィンテジも揃った最高のラインナップでしたが、最初のワインは滑らかで、どちらかというとタンニンが軽めの印象だったので、オーブリオンとしましたが、これが見事に外れて、というか、このラテュールはないでしょ!の感覚でした。が2本目のバランスの良さ、統一感は間違いなく王様ラフィットとして、これは見事正解。ちなみに、王様のラフィットはこのところ外したことがないのが自慢です・・
3本目はマルゴー、4本目がオーブリオン、5本目がムートンでした。後半はラッキーで当たったので、なななんと豪華賞品までゲットの夢心地でした。

結論を言えば、幸せな事に何度も5大シャトーは飲ませていただきましたが、そのたびに熟成の変化やヴィンテジの違いで、それぞれが違った顔を見せて、彼らを毎回正確に区別、定義することは至難の業です。それらが一つづつ普遍的な完成度を持っていて確かにどれも深く美味しいし、大胆かつ、繊細な違いは懐深く魅力的でありつづける。

2012年1月16日月曜日

右岸飲み比べ

忘年会はボルドー右岸だけの比較でした。メルローベースのワインながら、モンドット、ヴァランドロー、トロタノワと一級ぞろいで甲乙つけがたしでしたが、特にヴァランドローとトロタノアは果実味、酸味、なめらかなタンニンしっかりと力強く、メルローの深さと底力を感じるものでした。左岸のカベルネベースのワインとは一味違い、ヴィンテジも1982と熟成しているので、田舎のやさしい藁や日なたぼっこを連想させるようなひとときでした。

トロタノアのバランスの良さ、ヴァランドローの力強さに比べてモンドットはやや力を落とした感じで、前回にひきつづき熟成の変化と妙味を堪能しました。