2008年4月6日日曜日

モノポール大会

第18回 王様会 モノポール特集   
 (アペリチフとデザートワインを除く)    平成18年12月5日 
 

1. Philipponnat Reserve Rose                   
フィリポナ レゼルヴ・ロゼ・ブリュット
生産者: フィリポナ について。               
17世紀(1697年)よりシャンパーニュ地区に住む一家で19世紀ごろよりシャンパン作りを始めたという。1910年にはエペルネの東5キロのマルイュ・シュール・アイ(Mareuil-sur-Ay)にシャンパン醸造所を作った。18世紀ごろの古いセラーを取得し、1935年にはそれまで何人かによって所有されていたクロ・デ・ゴワセの畑を買い取り区画の整理と水捌けを整え現在の姿にした。

品種: ピノ・ノワール、シャルドネ、ピノ・ムニエ

繊細で微妙なロゼカラーは、情熱と新鮮さと気品の絶妙なコンビネーションをもち、グランクリュとプルミエクリュの畑で育てられたブドウを厳選してブレンドしています。
格付け94%クリュ。 ピノ・ノワール50~60%、シャルドネ25~30%、ピノ・ムニエ15~20%

伝統的なシャンパーニュ方式で造られ、赤ワインと白ワインをブレンドして瓶詰し、瓶内二次醗酵。前年までのブドウで造られたヴァン・ド・レゼルヴを20%ほどブレンドして安定したスタイルを保っています。この美しいロゼカラーは、クロ・デ・ゴワセ用と同じピノ・ノワールの一番搾り果汁のみでできたワインによるもの。 セラーで2-3年熟成。 ボトルにはデゴルジュマンした日付が書かれています。

テイスティング: バラ色のニュアンスをもった金色で銅のような輝きもある。細かくクリーミーな泡立ちで、ノーズはさくらんぼや野いちごのような華やかな香り。味わいは赤と白の絶妙なハーモニー。 余韻はピンク・グレープフルーツのようなタンニンと酸が長く続きます。 サービス温度は8度前後で、リリースから2年ごろまでのフレッシュなときに飲むのが良い。アペリチフやデザートと一緒におすすめ。

アルコール度 12%
総酸     4.9g/l
糖度    11g/l

2. Philipponnat  Clos de Goisses 1991
クロ・デ・ゴワセ・ブリュット・モノポール 1991

生産者:  フィリポナ              
生産量:  15000~20000
使用品種: ピノ・ノワール、シャルドネ

フィリポナ社の単一所有の畑は5.5ヘクタールで(ピノ・ノワールが3.5ha、シャルドネが2.0ha)で、シャンパーニュで最も高い格付けのアイ村(グラン・クリュ)のマルユイユ・シュール・アイ村(99%クリュ)にあります。シャンパーニュの最高立地のこの畑は、マルヌ川に面した南向きの急斜面(45度)にあり 理想的な陽光角度とマルヌ川の照り返しもブドウの生育に好都合。ブドウの生育に必要な日照の度合いが400kmも南にあるブルゴーニュに匹敵する。

機械での作業が全然できない急斜面の畑で、丁寧な手作業による『重労働=ゴワセ』(シャンパーニュ地方訛の古い言い方)から生まれる。このクロ・デ・ゴワセは、99%クリュ。樹齢は約25年~30年。ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%。伝統的なシャンパーニュ方式で醸造、乳酸醗酵は行わず、自然のアロマや丸み、新鮮さ、たくましさ、土壌からのミネラルを最大限に引き出しています。年間生産量も作柄の良い年のみ15,000~20,000本。デゴルジュマンをした日付がボトルに明記してある。

濃い金色で繊細な泡。コーヒー、ココアやトーストの香ばしさがあり、味わいは豊かで力強く、しっかりとした骨格とスパイシーさが感じられます。ドライプラム、くるみのような味わいが加わり、ハーモニーがすばらしく長い余韻が楽しめます。 リリース時から10年すぎ熟成。

料理とともに楽しむシャンパンでフォアグラ・トルフュ、赤味の肉、ソースを使ったジビエ料理などにあう。

アルコール度 13%
総酸   4.9g/l
糖度  8.5g/l


3. Clos Blanc de Vougeot   Monopole
クロ・ブラン・ド・ヴージョ モノポール

生産者; Domaine de la Vougeraie
ドメーヌ・デ・ラ・ブージェレ(ボワセ一家が所有)
クロ・ブランはクロ・ド・ヴージョ城に近く、周囲を黒ブドウの畑にかこまれており、ルビーに囲まれたダイヤモンドのようで、”ホワイト・ヴィニヤード“として知られている。1110年にはここの白ワインはシトー派の僧侶達への献上ワインとして与えられた記録が残っており、すでに900年間作られていることになる。
ヴージョを名乗るアペラシオンは67ヘクタールあり、そのうちの50ヘクタールはクロ・ド・ヴージョ。クロ・ブラン・ド・ヴージョは城の正面の位置でクロ・ド・ヴージュの北壁の西半分の下の方角です。

土壌:  石灰質で表土はシルト、粘土質。
品種:  95% シャルドネ, 4% ピノグリ,1% ピノブラン
醸造; 全房圧搾。15度で12時間清置した後に発酵はゆっくりと樽で行う。
天然酵母を利用した自然の発酵で酵素類は一切使用しない。16ヶ月の樽熟。
テイスティング: 色合いは深く輝く金色で魅力的な緑色のニュアンスも感じられる。ノーズは力強く複雑でフルーツとミネラルが感じられる。味わいは豊かでドライフルーツ、ヘーゼルナッツやカシューナッツがありしっかりした酸に支えられた豊かでありながら爽やかな印象。 料理はロブスターやランゴスティン(西洋赤エビ)、シーフードソースを使った料理などが合う。


4. La Grand Rue 2000
ラ グラン リュ 2000

生産者; Domaine  Francois Lamarche 
(ドメーヌ フランソワ ラマルシュ)
ロマネ・コンティとラ・ターシュに寄り添うような細長い畑の位置はどう見ても特級のはずであるが長く1級の格付けだった。1933年以来ここを単独所有するラマルシュが1936年の原産地故障制度制定時に特級格付けを拒んだのが理由といわれるが、現当主のフランソワ・ラマルシュが申請して1992年に特級となった。

ブドウ畑: 8.52ヘクタール
醸造:   ブドウは手摘みされ、除梗後に大樽で15-18日発酵させ、40-60%の新樽を使って熟成させる。 年により18-20ヶ月の樽熟成を行った後に瓶詰めされる。







5. La Romanee 2002
ラ・ロマネ

生産者;Domaine du Vicomte Liger-Belair
畑;ロマネ・コンティと同じ斜面の上にあり、北側にリッシュブール、南側にはグランド・リュとヴォーヌ・ロマネを代表する、グランクリュに囲まれた好立地にある。畑の面積はわずかに0.85ヘクタール。除草剤は使用しない。平均樹齢52年、
平均収量27hl/ha、新樽比率100%で15-18ヶ月の熟成、清澄処理、濾過処理は一切なしでビン詰めされます。年平均生産量は約3,000本。
畑の面積は0.8452hで、ブルゴーニュで一番小さなグランクリュとなっています。

シャトー・ド・ヴォ-ヌ・ロマネ(=リジェ・ベレール伯爵家)の単独所有。ドメーヌの由来は19世紀はじめ、ナポレオン麾下の将軍、ルイ・リジェ・ベレールから始まる。代々下請け人が耕作をしていて、最近までフォレ家が耕作・醸造しボーヌのネゴシアン、ブシャール・ペール・エ・フィス社が熟成・瓶詰・販売を担当していた(資料によってはブ社が醸造していたともある。この体制は1976年ころかららしく、その前までは同じくボーヌのビショー社が販売していたしルロワが販売していた時代もあったらしい。2002年からは、ブ社との契約期間が終了し、リジェ・ベレール家が耕作を直接することになる。そして2006年ヴィンテージから100%リジェ・ベレール家(Liger-Belair)の名前でワインが出荷されることとなった。

畑の管理として11月ごろから馬を耕作につかう。トラクターは土を踏み固めるが、馬の鋤は深く、柔らかく土に入る。土に空気をもたらし、ブドウの根が地下に伸びることでブドウが健全に育ち良い果実をつける。ラ・ロマネは4000本(2005年まではワインはブ社と折半)

現在の当主でワインづくりをしている36歳のルイ・ミシェル・リジェ・ベレールはピノ・ノワールで表現したいのはフィネス(繊細さ)という。読売新聞のインタビューで
 「ブシャールが醸造していた時代のラ・ロマネは重くて、タニックだった。僕の目標はピノ・ノワールのエレガンスを表現すること。抽出されすぎたワインや樽のきついワインは好きではない。色が薄くても、ピノのアロマや気品が表現されたワインが好き」という。彼がすべてを手がけた02年のワイン6アイテムはいずれも純粋で軽やか。異なる個性を表現し、エレガントなバランス感が素晴らしい。ラ・ロマネは多少幼すぎるが、潜在性の巨大な影が背景に伸びている。




プロフィール

ルイ・ミシェル・リジェ・ベレールLouis Michelle LIGER-BELAIR
シャトー・ド・ヴォーヌ・ロマネ当主
 1973年パリ生まれ。シャトー・ド・ヴォーヌ・ロマネを所有するリジェ・ベレール子爵家の7代目。少年時代は軍人の父とともにフランスやドイツを転々とし、91年からトゥールの農業学校、ディジョン大で農業エンジニアリングなどを学んだ。研修先はカリフォルニアのファー・ニエンテ、ボルドーのブラネール・デュクリュなど。99年からシャトーに戻り、2000年からヴォーヌ・ロマネの2つの村名と1級畑、02年から特級のラ・ロマネ、1級のオ・レニョの栽培・醸造・ビン詰めを手がける。




6. La Tache 1976Pinot
ラ・ターシュ 1976
生産者;DRC       

樹齢平均46年で畑の面積は6.06ヘクタール。土壌はマールや岩盤の上に鉄分を多く含む石灰質の土質が重なる。6.062haのすべてをドメーヌが単独所有するラ・ターシュは、ロマネ・コンティ畑の南に位置し、斜面の上から下へと広がっているため、上部の重厚さと、下部の繊細さが絡み合う独特の複雑な深みがある。優美さと厳格さを併せ持ち、色濃く、凝縮され筋肉質の印象のワイン。

冬場の厳しい剪定、夏のグリーンハーベストなど厳しい管理を行った後で、収穫は手摘みで今やどこでもお手本となった選別テーブルでのブドウ選別を1977年に導入している。しかし収穫後のテクニックよりブドウ畑での管理に最も重点をおいている。1976年は畑で腐敗病によるひどい被害を受けた年であるがDRCの実力を発見しよう。
(1970年代は悪い気候と病気でブルゴーニュが悩まされた時代であり、DRCのワインも例外ではなかったという)

醸造は伝統的方法で除梗を行わず比較的低温(33度以下)で天然酵母を利用して約1ヶ月をかけて行う。トロンセの100%新樽を使って貯蔵し、フィルターせず、重力だけを使った澱引きを行う。(1979や1980は澱びきをしなかったし、最近は1回の澱引きだけという年もある)。清澄はときどき行うがその場合は卵白を使用。

テイスティング: DRCのワインの目指すものはフィネス、バランス、洗練さ、美しさ、年とともに熟成する優雅さなどである。

DRCの共同代表取締役のサイン

ⅰ)1991年~現在 ⅱ)1990年 ⅲ)1972年~1989年  ⅳ)1953年~1971年
Henry Frederic Roch A. de VillaineCharles RochA. de VillaineLe Leroy BizeA. de VillaineH. de Villaine      
アンリ・フレデリック・ロックオヴェール・ド・ヴィレーヌシャルル・ロック (1992年3月没)オヴェール・ド・ヴィレーヌラルー・ビーズ・ルロワオヴェール・ド・ヴィレーヌアンリ・ゴーダン・ド・ヴィレーヌ

DRCの所有面積、平均樹齢、平均生産量のリストは以下のとおり。
Vineyard
Holding
Average Vine Age (Yrs)
Average Production
Romanée-Conti
1.8 Hc
52
450 Cases
La Tâche
6.06 Hc
46
1,870 Cases
Richebourg
3.51 Hc
39
1,000 Cases
Romanée-St-Vivant
5.28 Hc
33
1,500 Cases
Grand Echézeaux
3.52 Hc
51
1,150 Cases
Echézeaux
4.67 Hc
31
1,340 Cases
Montrachet
0.67 Hc
61
250 Cases

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