2009年7月16日木曜日

リリー会 アルザスで夕涼み

夏の始まりにはふさわしい冷やした白ワイン、アルザスを中心としたワインを楽しみました。仕事帰りの皆さんの喉を最初にうるおしたのはボランジェのシャンパーニュ。ボリューム感を感じされる複雑な香りには酵母やりんご、トースト香、そして微かな蜂蜜の香りも混じって、目にする細かい泡は清涼感と複雑な味わいの双方を満足させました。

リースリングはアルザス(トリンバック)とドイツ(クロスターエーバーバッハ)の違いを比較した。香りはリースリング特有のバラのようなほのかに甘い花の香りがたちあがるが、口に含むとアルザスはきりっと辛口、ドイツのスタインベルガーは最初ちょっと重すぎるとすら感じる花の香りが、時間とともに味わいと同化し、オイリーさのニュアンスを持つミネラル感と、力強い酸を伴ってアルザスに比べて甘口に感じられたカビネットに絶妙なバランスを保ったままフィニッシュでリースリングの魅力を発揮。

本日のハイライトに躍り出たのは、ドメーヌ・ヴァインヴァックのゲヴェルツトラミネール、キュヴェ・テオだ。教科書のような上品なライチや梨の香りに舌に十分な味わいのボリュームと上品な酸が加わり、これだけで単体でも十分味わいを楽しめる逸品であった。トリンバックのピノグリはほのかなフルーツ香、フレッシュハーブにグレープフルーツの皮のような苦味をもつ中厚のワインだが、イタリアのピノグリッジョのようなしっかりした酸に欠けてやや中途半端な印象。ラロッシュのシャブリ・プリミエクリュ、ヴァイヨンはりんご、白桃やミネラルにかすかな樽香をもつミディアムボディで滑らかな舌触りがあり、今回のように個性的なワインの最後には慣れたシャルドネは落ち着くといったところでした。

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